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( 香水工場の )

香る生活


香水瓶が2千5百万円
おもしろいニュースを見つけました。

Empty Lalique bottle goes for $216,000(The Associated Press, 2006/11/26)

「ラリックの空ボトル、2千5百万円で落札」といった感じでしょうか。

もともと50ドルで購入されたラリックの香水瓶(Resor de la Mer/Treasure of the sea/海の宝)が、オークションで216,000ドル。

先週、偶然にもルネ・ラリックの香水瓶をコレクションしている「湘南江の島香水瓶美術館」に行ってラリックの世界を堪能してきました。

前にもラリックについてちょっと触れました。ラリックはもともと宝飾デザイナーながら、たまたま同じ通りで店を構えたコティの依頼で香水瓶のラベルやデザインを手掛けることになったアール・ヌーボー、アール・デコの代表的芸術家のひとりです。

余談ですが、当時コティ社はまだ無名でしたが、ラリックの魅力的なボトルの恩恵もあってメジャーな香水ブランドとして急成長します(巨大財閥にのし上がるといっても過言ではありません)。

でも、数年後ラリックとコティは喧嘩別れするそうです(湘南江の島香水瓶美術館さん談)、知らなかった・・・

私は、材質や製造上の完成度の高さから現代の香水瓶の方が美しいと感じている一人ですが、瓶美術館で実際ラリックのビンを眺めると、たしかに芸術品として見応えがあります。圧巻です。

ヨーロッパにはギリシア・ローマ時代から綿々と続く彫りの伝統のようなものがあって日本人にはちょっと作れない凄さを感じさせます。

ラリックの香水瓶は、陶芸作家さんのような一点ものではなく鋳物による量産品です。

ということはラリックのボトルは世界中で転がっているはずですが、割れ物ですので、幸か不幸か時間に反比例して量を減らして逆に価値を高める運命にあります。

今回2千5百万で落札されたボトルは、もともと50本生産され、これを含め2本現存しているとのこと。これが1本になればどうなるのでしょうか。

えらいことです。

コティといえば現代日本人にはピンとこないかもしれませんが、おじいちゃん、おばあちゃんの時代の憧れのブランドです。

おパリの雰囲気満点で、たかが石鹸でもコティの石鹸なら当時は布に包んでタンスにしまうご家庭も多かったはずです。

そんなコティですからコティの香水瓶が残っているご家庭も少なからずあると思います。

古い香水瓶がでてきたら、捨てずに・・・念のため私に見せてください・・・





※ニュースソース:
ニュースはすぐに消されてしますので記録のために引用させていただきます。
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Empty Lalique bottle goes for $216,000

Posted by the Asbury Park Press on 11/26/06

LAMBERTVILLE: A bottle of Lalique perfume originally purchased for $50 has been auctioned off for $216,000.

An elderly woman, who wanted to remain anonymous, received the bottle of perfume, called Tresor de la Mer or treasure of the sea, from her husband in 1939.

She held on to the empty bottle and the box it came in for years, before deciding to auction it at the Rago Arts and Auction Center here on Nov. 17.

Ken Leach, a perfume bottle expert at the auction, said only 50 of the Lalique bottles were made, and he knows only of one other still in existence.

The Associated Press
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