ローマ共和国への憧れとローズマリー
- (2018-06-23)
古代ギリシア・古代ローマから愛されるハーブ
ローズマリーは、古代ギリシア・ローマ時代から愛されてきたハーブです。
ヨーロッパ人のアイデンティティ
古代ギリシア・古代ローマは、現在の欧米圏の文化と文明の基本。ちょっと言い過ぎかもしれないけど、欧米人の"アイデンティティ"と言ってもよいかも。
なので、たとえば、世界史の中では比較的新しい国家である米国でさえ、政府機関など格式が求められる建物を建てるとき、やはりローマ建築様式が取り入れられがちです。
( フェデラル・ホール =アメリカ合衆国・ 旧議会議事堂。中央ジョージ・ワシントンの像がないと、ローマ市内にある建築物と間違えられてもおかしくない雰囲気。米国の格式がある建築物にはローマ様式の建築物が好まれる) By Hu Totya - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
(ホワイトハウス、神殿風柱を備えた玄関にローマ建築様式の特徴がでている)
欧米人のギリシア・ローマ時代へのあこがれの強さは、文化や生活の端々に見て取れます。
個人的な空想ですが、米国の政治家や知識人の中には、それなりの多くの人が、米国を"現代のローマ共和国の後継者"と考えているはずです。
なぜ神聖ローマ帝国?
たとえば、ドイツもそうです。ローマ時代、ライン川より北に位置していたドイツは、文明の兆しさえない野蛮な狩猟民族が暮らす未開拓地であり、ローマとは何の関係もありませんでした。
さすがのカエサルも危険すぎて、征服はフランスまでにとどめ、それ以上は放置したほど。
こんなドイツでさえ、中世から近世まで自国を「神聖ローマ帝国」と名乗り、自分たちがローマ帝国の後継者であることを自認していたわけで、欧米人の古代ローマへのあこがれを象徴しています。
もっと言えば、ドイツ・ナチス党が喧伝した「第三帝国」は、ローマ帝国の後継国家としての意味もあったようです
生活の中のハーブ
そんなわけで、ローマ時代に愛されたローズマリーが、現在のヨーロッパ人に愛されないわけがありません。
たんなるハーブと言うよりも「遠い先祖の時代から綿々と愛されてきたハーブ」「生活の中のハーブ」というわけです。
だから英語圏にはローズマリーを使った習慣や利用方法が、日本よりかなり多彩な印象を受けます。
このブログでは、ローズマリーのあれこれを書き綴っていますが、やはり欧米圏の人々の生活から見ると、ローズマリー愛の強さと深さは、日本人をだいぶん超えています。
- (2018-06-23)