香る栴檀(センダン)の花

スタッフに「すごく香っています」と教えられて撮影してきました。近所の公園です。

「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」ということわざがあります。

もともとこのことわざは知っていましたが、「栴檀は双葉という植物とよりも香りがよい」と理解し「意味は不明」と考えていました。

しかし、今日、この記事の書くに当たって調べたら全然違いました。

ことわざの栴檀は白檀のことらしい。「そんな立派な樹木は、発芽のころからすでに香りを漂わせている」、つまり立派な人物は幼少の頃から違う、という意味だそうです。

この意味からすれば「双葉」は植物名ではなく「幼少の頃」の意味で、「双葉より」の「より」は「than」でなく「from」なんですね。

ことわざの出典は『平家物語』で、栴檀と白檀を間違えていること、白檀に関しても、木材の中に香りが含まれることは事実ながら生育している樹木自体にはそんなに香りはなく、とくに幼木の頃、香りはまったくしない、と言う点で間違いだらけですね。

日本に白檀という樹木が存在せず、日本人はこの高貴な樹木がどんなものか知りませんでした。その憧れが、いつしか栴檀の木を白檀と信じ込んでそのまま現代に至ったというちょっぴり切ない歴史だっただんろうなと思ったりします。

なお、栴檀はもともと中国語で、あちらでは白檀の意味だそうです。日本の栴檀は白檀ではなく、まったく別の品種。高級材として有名なマホガニーの仲間だそうです。香り関してはとくに特徴がありませんが、花はよく香ります。

香りのタイプは、大田花きさんのページによれば、「とても甘く高貴な香りを放ち、その香りはチョコレートやバニラにも似ています

そんなこんなで、大間違いのことわざですが、なんとなく耳に心地よい響きが好きですね。

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