香水の種類
( 教科書的な分類方法 )
< back | next >
さらに小さく分けた呼び方もあります。それらにはどんな違いがあるのでしょうか?
それらを比較すると、持続時間や濃度の数値に相当の違いがあります。
本当に「適当だな~」と思いませんか? そうなんです、適当なんです。それでいいと思います。
一つには持続時間や濃度に、法律や行政による規制などはなく、統一的な測定方法もなく、それぞれのフレグランスメーカーがそれぞれのガイダンスやガイドラインを作成するためです。
さらにそれを参考にしたり、コピーする方々が、また好き勝手にアレンジするので、テキトーになります。
たとえばパルファンの賦香率を15-20%とする人がいるかと思えば、20-50%という人もいます。
実際のブランド香水で50%のパルファンってあるんですよ。
また、メーカーによっては賦香率から判断すると、それは「オードトワレ」と呼んだ方がふさわしいと感じるような濃度の商品に「オードパルファン」と命名することも普通。
イメージがよいし高く売れるし「トワレ」より「パルファン」と呼びたい気持ちは理解できますし、違法でもありません。
ちなみに、当社の香水はすべて原則 10%濃度で、一般的には「オードトワレ or オードパルファム」にカテゴリーされます。
20年前の発売当初は当社の香水は「オードトワレ」で統一していました。
しかし、現在、世界的に香水業界では「オードトワレ」というワードが使われなくなる傾向があり、現在では当社製品は濃度不変のまま「オードパルファム」で統一しています。
以上のような事情があって下記の表は「一つの目安」程度に理解していただければと思います。
(*1)まだいろいろある。たとえばオードトワレに近い「トワレ」など。
(*2)香水関連用語は世界的にフランス語が多用されるケースが多い。たとえば、英語ならFor Men(フォーメン)をPour Homme(プールオム)
(*3)法律で決められているわけではない。メーカーの戦略によって濃度は変化する。
(*4)実は何をもって持続時間とするか悩ましい問題。ムスクのように残香性のある香料の場合、トワレでも24時間以上香る
薬機法による規制がないため、パルファムやオードトワレ、オーデコロンの命名は各フレグランスメーカーや香水ブランドが独自に呼び分けることができます。
「香水」とは厳密には濃度が一番高い「パルファン」を指しますが、パルファンからコロンまですべてをひっくるめてさす場合もあります。
また「フレグランス」とは香水(法的には化粧品に属し薬機法の管轄下になる)を含めルームフレグランス(法的には雑貨)などの幅広い香りモノ商品を指します。
そのため、同じプロダクトラインながら、賦香率が違うだけでなくオードパルファンよりパルファンの方にグレードの高い原料を使用するところもあるといいます。
こんへんは企業秘密なので聞いても教えてもらえないケースがほとんどです。
香水の原料は通常(エタノール、水、香料)です。香水全般を昔は「○○の水」という言い方のつもりで「オーデ○○」と呼んだことがその発祥と推測されます。
たとえば、オーデコロンの本来の意味は「ケルンの水」です。
ナポレオン時代、ドイツのケルン(コローニュ)で売り出された薄目の香水がその起源です。またオードトワレは「化粧室の水」または「お化粧のとき使う水」くらいの起源で始まった言い方でしょう。
たとえば、英国の香水メーカーが「Eau de London」という製品を出したとします。
欧米圏の人々の印象は「ロンドンの水」という飲料水が出たのではなく、「ロンドンの香水」という名の香水が発売されたと理解する人が圧倒的に多いでしょう。
もし飲料水なら、おそらく「Water of London」とお命名した方が自然です。
実際、香水という意味で英語圏では「Eau de ○○」という製品はいろいろ多いようです。
「オードパルファン」が「パルファン」より濃度が低いのはそのためです。
また「オードトワレ」や「オーデコロン」を、たんに「トワレ」や「コロン」と呼ぶことがあります。
しかし、単一成分になったわけでも、単一分子になったわけでもないので、肌につけてから揮発し香る過程で、香りやすい成分から順々に飛び出していきます。
その結果、時間とともに香水は香りのグラデーションを描きながら、どんどん変化していきます。
まずはエタノールが飛びます。
純度の高いエタノールはそんなに強烈ではないのですが、多くの人が「ツンとくるニオイ」と表現し嫌われる傾向にあります。
しかし、ムエット(匂い紙)なら2、3回振るだけでアルコール成分はある程度、飛びます。
そして、最初に華やかに香るのがトップノートです。
激しく揮発するので華やかで印象深い香りですが、これは打ち上げ花火と同じで持ちません。すぐに衰えます。
柑橘系の香りには多いタイプです。5~10分後くらいにはしっかりした落ち着いた香りが訪れます。
おそらく香水の香りの一番のボディに当たる部分がここだと思います。これがミドルノートです。
しかしこの香りも時間とともに穏やかに衰え、最後は余韻を残すかのような香りが訪れます。これはラストノートと呼ばれます。
一般的に下記のように3段階で香水の香り立ちの変化を表現します。
しかし、これは便宜的に分類された香り立ちの変化で、実際は「グラデーション」的に変化します。
ラストノートはベースノート、ボトムノート、ラスティングノートと呼ばれることがあります。
香料の種類によってラストノート向きかどうか決まりますが、一般的に動物性香料、ウッディ系香料は持続力が強く、場合によって24時間以上香り続けます。
周囲の人への影響も考えて香水をつける場合、香水をつけるタイミングはよい印象を与えたいその人に会う30分くらい前がよいでしょう。
ミドルが本格的に立ち上がり香りが元気だからです。
しかし、香水は商品ごとに一番良い香り立ちが訪れる時間とその持続時間は違いますので、自分のお気に入りの香水で、そのタイミングをある程度観察しておくことは香水を効果的に利用したい人にとってちょっとしたテクニックです。
香水のタイプは通常大きく7~10程度の分類で考えているメーカーは少なくありません。
香り系統の分類はドイツの香料会社ハーマン&ライマーの分類表が有名です。
各時代のマイルストーンになった代表的な商品とその香りのタイプ分類表内でのポジションがプロットされており、国際的な分類基準のひとつになっています。
ハーマン&ライマー社は現在シムライズという社名になっています。
多くの香水評論家や香水の本で取り上げられる分類表はハーマン&ライマーの分類表を参考にしたものが多いと思われます。
ここでは下記のように分類しました。
◎香水のタイプ別種類一覧リスト:
< back | next >
香水の種類
香水は日本語では「香水」という一つの呼び名しかありませんが、フランスでは「パルファム」や「オードトワレ」「オーデコロン」などと呼び分けられています。さらに小さく分けた呼び方もあります。それらにはどんな違いがあるのでしょうか?
香水分類表
インターネットで「香水の種類」と検索すれば、下記のような表がいっぱい出てきます。それらを比較すると、持続時間や濃度の数値に相当の違いがあります。
本当に「適当だな~」と思いませんか? そうなんです、適当なんです。それでいいと思います。
一つには持続時間や濃度に、法律や行政による規制などはなく、統一的な測定方法もなく、それぞれのフレグランスメーカーがそれぞれのガイダンスやガイドラインを作成するためです。
さらにそれを参考にしたり、コピーする方々が、また好き勝手にアレンジするので、テキトーになります。
たとえばパルファンの賦香率を15-20%とする人がいるかと思えば、20-50%という人もいます。
実際のブランド香水で50%のパルファンってあるんですよ。
また、メーカーによっては賦香率から判断すると、それは「オードトワレ」と呼んだ方がふさわしいと感じるような濃度の商品に「オードパルファン」と命名することも普通。
イメージがよいし高く売れるし「トワレ」より「パルファン」と呼びたい気持ちは理解できますし、違法でもありません。
ちなみに、当社の香水はすべて原則 10%濃度で、一般的には「オードトワレ or オードパルファム」にカテゴリーされます。
20年前の発売当初は当社の香水は「オードトワレ」で統一していました。
しかし、現在、世界的に香水業界では「オードトワレ」というワードが使われなくなる傾向があり、現在では当社製品は濃度不変のまま「オードパルファム」で統一しています。
以上のような事情があって下記の表は「一つの目安」程度に理解していただければと思います。
カテゴリー(*1) | フランス語(*2) | エタノール濃度(賦香率)(*3) | 持続時間(*4) | 特徴(*5) |
Parfum(P) | パルファン(パルファム) | 15~30% | 5~12時間 | 濃度が高いため少量で効く。価格を高めに設定するメーカーが多い。 |
Eau de Parfum(EDP) | オーデパルファン(オードパルファン) | 10~15% | 5~12時間 | パルファンに近い濃度ながら価格を押さえている商品が多い。 |
Eau de Toilette(EDT) | オーデトワレ(オードトワレ) | 5~10% | 2~5時間 | 数時間でほんのり香りが残る。日常的に使いやすい濃度かも |
Eau de Cologne(EDC) | オーデコロン | 1~5% | 1~2時間 | 薄くライトに香るのでシャワー感覚で。 |
(*2)香水関連用語は世界的にフランス語が多用されるケースが多い。たとえば、英語ならFor Men(フォーメン)をPour Homme(プールオム)
(*3)法律で決められているわけではない。メーカーの戦略によって濃度は変化する。
(*4)実は何をもって持続時間とするか悩ましい問題。ムスクのように残香性のある香料の場合、トワレでも24時間以上香る
薬機法では区別がない香水の分類
上記分類法ではパルファムやオードトワレ、オーデコロンなどと分かれていますが、日本の薬機法ではそれらに分類はなく、すべて同一の「香水」であり、化粧品の一カテゴリーとして分類されています。薬機法による規制がないため、パルファムやオードトワレ、オーデコロンの命名は各フレグランスメーカーや香水ブランドが独自に呼び分けることができます。
香水の呼び名
香水とは?フレグランスとは?
メーカーによって違う分類の仕方をしているところもありますが、香水の種類は通常下記の4種類に分類されることが一般的です。「香水」とは厳密には濃度が一番高い「パルファン」を指しますが、パルファンからコロンまですべてをひっくるめてさす場合もあります。
また「フレグランス」とは香水(法的には化粧品に属し薬機法の管轄下になる)を含めルームフレグランス(法的には雑貨)などの幅広い香りモノ商品を指します。
特別な意味がある香水、パルファン
パルファンからコロンまでの違いはたんに香料の濃度(賦香率)が違うだけですが、どのメーカーも「パルファン」をそのメーカーのその商品ラインの最上級フレグランスに位置づける傾向があります。そのため、同じプロダクトラインながら、賦香率が違うだけでなくオードパルファンよりパルファンの方にグレードの高い原料を使用するところもあるといいます。
こんへんは企業秘密なので聞いても教えてもらえないケースがほとんどです。
「オーデ」の意味
またオーデコロンやオードトワレの「オーデ」(Eau de)はフランス語で「水の」(Water of)という意味です。香水の原料は通常(エタノール、水、香料)です。香水全般を昔は「○○の水」という言い方のつもりで「オーデ○○」と呼んだことがその発祥と推測されます。
たとえば、オーデコロンの本来の意味は「ケルンの水」です。
ナポレオン時代、ドイツのケルン(コローニュ)で売り出された薄目の香水がその起源です。またオードトワレは「化粧室の水」または「お化粧のとき使う水」くらいの起源で始まった言い方でしょう。
英語圏でも「香水」という意味になった「オーデ」
先ほど、オーデの意味は本来「水の」(Water of)と解説しましたが、現在では「水」以外にもこれだけで「香水」を意味するようになりました。これは英語圏でも使われています。たとえば、英国の香水メーカーが「Eau de London」という製品を出したとします。
欧米圏の人々の印象は「ロンドンの水」という飲料水が出たのではなく、「ロンドンの香水」という名の香水が発売されたと理解する人が圧倒的に多いでしょう。
もし飲料水なら、おそらく「Water of London」とお命名した方が自然です。
実際、香水という意味で英語圏では「Eau de ○○」という製品はいろいろ多いようです。
薄いという意味のオーデ
「オーデ」や「オード」が付くとやや水っぽい印象があるため通常は濃度がやや薄いことを意味します。「オードパルファン」が「パルファン」より濃度が低いのはそのためです。
また「オードトワレ」や「オーデコロン」を、たんに「トワレ」や「コロン」と呼ぶことがあります。
香水の香り立ち
香水は様々な香料から構成され、全体としてひとつの香りにまとめられています。しかし、単一成分になったわけでも、単一分子になったわけでもないので、肌につけてから揮発し香る過程で、香りやすい成分から順々に飛び出していきます。
その結果、時間とともに香水は香りのグラデーションを描きながら、どんどん変化していきます。
まずはエタノールが飛びます。
純度の高いエタノールはそんなに強烈ではないのですが、多くの人が「ツンとくるニオイ」と表現し嫌われる傾向にあります。
しかし、ムエット(匂い紙)なら2、3回振るだけでアルコール成分はある程度、飛びます。
そして、最初に華やかに香るのがトップノートです。
激しく揮発するので華やかで印象深い香りですが、これは打ち上げ花火と同じで持ちません。すぐに衰えます。
柑橘系の香りには多いタイプです。5~10分後くらいにはしっかりした落ち着いた香りが訪れます。
おそらく香水の香りの一番のボディに当たる部分がここだと思います。これがミドルノートです。
しかしこの香りも時間とともに穏やかに衰え、最後は余韻を残すかのような香りが訪れます。これはラストノートと呼ばれます。
一般的に下記のように3段階で香水の香り立ちの変化を表現します。
- トップノート : ~10分程度・・・香水の第一印象
- ミドルノート : ~3時間程度・・・香水のボディ
- ラストノート : ~12時間程度・・・香水の余韻
しかし、これは便宜的に分類された香り立ちの変化で、実際は「グラデーション」的に変化します。
ラストノートはベースノート、ボトムノート、ラスティングノートと呼ばれることがあります。
香料の種類によってラストノート向きかどうか決まりますが、一般的に動物性香料、ウッディ系香料は持続力が強く、場合によって24時間以上香り続けます。
周囲の人への影響も考えて香水をつける場合、香水をつけるタイミングはよい印象を与えたいその人に会う30分くらい前がよいでしょう。
ミドルが本格的に立ち上がり香りが元気だからです。
しかし、香水は商品ごとに一番良い香り立ちが訪れる時間とその持続時間は違いますので、自分のお気に入りの香水で、そのタイミングをある程度観察しておくことは香水を効果的に利用したい人にとってちょっとしたテクニックです。
香水の系統
「香水の系統」も「香水の種類」同様、いろいろ意見や基準があるので一概には言い難いものがあります。香水のタイプは通常大きく7~10程度の分類で考えているメーカーは少なくありません。
香り系統の分類はドイツの香料会社ハーマン&ライマーの分類表が有名です。
各時代のマイルストーンになった代表的な商品とその香りのタイプ分類表内でのポジションがプロットされており、国際的な分類基準のひとつになっています。
ハーマン&ライマー社は現在シムライズという社名になっています。
多くの香水評論家や香水の本で取り上げられる分類表はハーマン&ライマーの分類表を参考にしたものが多いと思われます。
ここでは下記のように分類しました。
◎香水のタイプ別種類一覧リスト:
系統(香水のタイプ) | 説明(香水のイメージ) |
シトラス系 | レモン、オレンジ、ベルガモット、マンダリンなど柑橘系を中心にした香り。柑橘系は香りの飛びが早い(とくに天然香料)ためライトに香らせたいときに便利な系統。アクティブな印象アリ。CK ONE、4711、オーデコロン・エルメスなど |
シングルフローラル系 | ブーケタイプの反対にシングルの花を感じさせる香調。ディオリッシモなど |
フローラルブーケ系 | フローラル系ながら、複数の花を感じさせるブーケタイプ。『ジョイ』、『レール・デュ・タン』など |
フローラルアルデハイディック系 | フローラル系ながら、アルデハイド系合成香料を含む神秘的なフローラル。『アルページュ』『シャネル5番』など |
オリエンタル系 | 西洋人から見た東洋的でエキゾチックなイメージ。おそらく日本や東南アジアではなくアラビアなどの中東的な意味が大きい。アンバーやムスクなどの動物性香料やウッディ系香料が多用さたセクシーなものが多い。オピウム、スカルプチャー、サムライ、エゴイストなど |
グリーン系 | 植物の葉や茎を折ったときに感じるグリーン感のイメージ。ナチュラル系とも言う。ユニセックスでハーバルな印象あり。インウイ、シャネル19番、ヴァンベール、ポロスポーツ、ロマンスメンなど |
シプレー系 | コティ社『シプレー』が代表作。オークモス(樫の木に生えるある種の苔)をベースにベルガモットなどが使用された。フォーマルなシチュエーションに合う。シプレー、ミツコ、ラッシュ2、ポロ、エンヴィ |
フゼア系 | シプレー系と同列ながらややメンズ向きの落ち着いた香調。フォーマルなシチュエーションに合う。エゴイストプラチナムなど |
< back | next >