アンチエイジング・ハーブ
ローズマリーのアンチエイジング効果
ローズマリーは、冷蔵庫がなかった時代、食用肉の腐敗を防止または遅延させるハーブでした。つまり、食中毒防止用の香辛料として珍重されてきました。それだけでなく関節炎に効く、記憶力がよくなるなどの効果が経験的に知られてきました。
ローズマリーは今風のコトバで言えば、アンチエイジング・ハーブだったのです。
ローズマリーの効能
現在、一般に評価されているローズマリーの効能をリストアップしてみましょう:- 精神の鎮静効果・・・松のような針葉樹に似た香りは、刺激的で覚醒効果がある
- 消臭効果・・・肉の臭みを取るハーブとして人気が高い
- 抗菌効果・・・多彩なポリフェノールを高濃度に含む
- 抗酸化効果・・・多彩なポリフェノールを高濃度に含む
- 血行改善効果・・・ローズマリーをハーブティなどにして飲用すると血行を促して血管を強くする作用があるとされる
- 育毛効果・・・ハゲ対策として知られている。ローズマリー配合シャンプーや外用薬が市販されている
- 関節炎リウマチ・・・関節炎の症状を緩和する効果が知られている。ローズマリー抽出液を湿布や塗り薬として塗ると痛み止めになる
- 花粉症・・・花粉症の症状を和らげる作用も期待されている
現在も新しい効能が発見されつつある
その他、抗ガン作用や脂肪蓄積を抑制する効果も報告されており、現在でも新しい効果が発見されつつされています。現在においても未知の効果が期待されており世界中で研究が進められています。
- 抗炎症
- 抗ガン作用
- 潰瘍抑制
- 脂肪蓄積抑制
アンチエイジング成分を含むローズマリー
ローズマリーの効果・効能を一言で言えば「アンチエイジング効果」と言えます。ローズマリーは伝統的に、関節リウマチによる障害や、記憶力改善に利用されてきました。
ローマ時代には、ローズマリーはすでに「記憶力増進のハーブ」として利用されていましたし、関節炎の治療薬としても当時から利用されていたと思われます。
現代では、難病のアルツハイマー病やパーキンソン病への効果も期待されています。
なぜでしょう?それはローズマリーに豊富に含まれるアンチエイジング成分と関係があることが現代の科学で解明されようとしています。今後も重要な成果が次々と期待される分野です。
ローズマリーの成分
ローズマリーの特徴は食欲をそそる香りだけではありません。ローズマリーには、テルペノイドやフラボノイドのポリフェノール(抗菌・抗ガン・アンチエイジング作用)を含むでおり、消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用も強く、一石二鳥どころか一石三鳥、一石四鳥といったメリットがあるハーブです。
ローズマリーのもっとも代表的な成分は「カルノシン酸」(carnosic acid)。下で詳しく説明しますが、脳細胞の活性化に役立つらしいことがわかってきました。その他このような成分があります:
【ローズマリーの代表的な成分表】
- ロズマリン酸 (rosmarinic acid)
- カフェ酸 (caffeic acid)
- クロロゲン酸 (chlorogenic acid)
- ゲンクワニン (genkwanin)
- ルテオリン (luteolin)
- カルノシン酸 (carnosic acid)
- カルノソール (carnosol)
- ロスマノール (rosmanol)
- ウルソール酸 (ursolic acid)
- オレアノール酸 (oleanolic acid)
- ベルベノン (verbenone)
- α-ピネン (alpha-pinene)
カルノシン酸
これはローズマリーから数十年前に発見された成分ですが、2つの重要な機能が発見されています:(1)強力な抗酸化作用と発ガン抑制作用
(2)神経成長因子(NGF、Nerve Growth Factor)の生成促進
抗酸化作用は、たとえば紫外線に対する細胞の保護機能が動物実験などで報告されています。
抗酸化作用がある物質は、おおむね発ガン抑制作用がありますが、カルノシン酸にも発ガン抑制作用があるとされています。
また、カルノシン酸には、神経成長因子(NGF、Nerve Growth Factor)の生成を促す効果があるらしいことがわかっています。
神経成長因子は脳や神経の細胞を成長を誘発する脳内ホルモンなのでカルノシン酸は脳細胞の保護と成長に重要な役割がある可能性があります。
記憶力の改善はもちろん、難病のアルツハイマー病やパーキンソン病への応用が期待される成分です。
また、下記のような機能もあげられます:
- 脂肪細胞分化阻害作用
- 脂質吸収抑制作用
ウルソル酸
ウルソル酸の説明は、Wikipediaから引用:ウルソル酸(ursolic acid)様々な種類のがん細胞の増殖を阻害。ウルソル酸は、リンゴ、バジル、ビルベリー、クランベリー、エルダーフラワー、ペパーミント、ローズマリー、ラベンダー、オレガノ、タイム、サンザシ、プルーンを含む多くの植物に存在している。
リンゴの皮は、ウルソール酸および関連化合物を大量に含んでいる。ウルソル酸は、抗腫瘍剤のような、より強力な生理活性誘導体の合成の出発材料として使用されている。
「ウルソル酸は、抗腫瘍剤のような、より強力な生理活性誘導体の合成の出発材料」という部分が凄いですね。
医薬品は植物の成分をモデルにその分子構造を似せて化学合成する手法が多く用いられてきましたが、ウルソル酸も夢の抗ガン治療薬のヒントになる可能性があるということでしょうか。